ニュース|熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座ページ
ニュース|熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座ページ
ログイン中
令和8年熊本地震により、被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災地や避難所では、急激な環境の変化により、認知症のある方の不安や混乱、興奮、不眠などが強くなることがあります。


日本認知症学会が厚生労働省の補助事業として作成した「被災した認知症の人と家族の支援マニュアル」をご紹介します。マニュアルには、次のような対応のポイントがまとめられています。


• 基本的な接し方
早口や後ろからの声掛けを避け、目を見て、一つずつ、慌てずに話しかけます。本人の訴えを否定せず、「ここにいて大丈夫」と安心できるように接します。


• 不安への対応
「ひとりではない」と共有することや、うなずき、優しく手を握るなど、言葉以外の方法でも安心を伝えます。


• いらいら・興奮への対応
一緒になって怒らず、興奮の理由や体調の変化を確認します。環境や体調の変化によって薬が合わなくなることもあるため、服薬内容を医療スタッフに確認してもらいます。


• 幻覚・妄想への対応
訴えを強く否定せず、困っている気持ちを受け止めます。必要に応じて話題を変えたり、少し距離を置いたりします。


• 落ち着かず歩き回る場合
トイレに行きたい、自宅に帰りたいなど、本人なりの目的がないかを確認します。一緒に歩き、安心できる場所へ誘導することも有効です。衣服や持ち物には氏名・連絡先を記載しておきます。


• 意欲低下や抑うつへの対応
被災や死別による一時的なストレス反応の場合もあります。温かく見守り、普段と違う状態が続く場合は医師に相談します。

 
• 不眠への対応
できるだけ安心して眠れる環境を整え、日中は可能な範囲で身体を動かし、日光を浴びるようにします。

 
• 排泄への対応
水分や食事を控えすぎると、脱水やせん妄、認知症症状の悪化につながります。トイレを分かりやすく表示し、排泄の失敗を叱らないことが大切です。


介護するご家族や支援者がつらさを感じたときは、一人で抱え込まず、身近な医療・介護の専門職へ早めにご相談ください。避難所、医療・介護現場、ご家庭などで、必要に応じてご活用ください。また、日本認知症学会ホームページからもダウンロードできます。




次の記事はありません | 前へ »

ページトップへ